子どもの矯正治療って？大人の矯正治療との違いを詳しく説明します！

歯のイメージ

小児歯科クリニックの選びのコツは？

子どもの矯正治療は乳歯の時期からはじめられるものもあり、子どもの矯正と大人の矯正では、どのような違いがあるのでしょうか？

大人になってからでも矯正できるのであれば、子どものうちから無理に矯正させる必要はないのでは？と感じる方も多いでしょう。

今回は、子どもの矯正治療と、大人の矯正治療の違いについて詳しく解説していきます。

そもそも矯正治療とは？

信頼できる歯医者は、何を基準に選べば良いのか？

歯科における歯列矯正とは、機能的で健康的な歯並び、咬み合わせ（かみあわせ）に整え、口の中のトラブルや歯並びや咬み合わせが原因で引き起こされる全身への影響を改善させることを目的としている歯科治療です。

口内環境が悪いと、食べ物をうまく噛み切れなかったり、口を自然に閉じられず口呼吸や口臭の原因になったりと、トラブルが付きまといます。さらには、見た目に自信が持てなくなったり、発音が不明瞭なために会話が億劫になったりするなど、精神的な面で影響を及ぼすこともあります。

矯正治療は、このようなトラブルが改善されるだけでなく、歯の寿命を長くさせることもできる歯科治療です。

どちらも歯列を整え、正しい咬み合わせにすることは同じですが、主な目的が少し違います。大人になってからの矯正治療は痛みが強かったり費用が高額になったりという部分でも違いがあります。

しかし、子どもと大人の矯正治療の決定的な違いは、「治療を受ける年齢」にあります。いつ頃に治療を受けるのかによって、治療費用や終了後の改善度へダイレクトに影響します。

子どものころの矯正治療は、骨格が成長している時期に行うため、主にあごの成長に合わせた矯正治療を行います。歯に直接アプローチする方法もありますが、あごの成長を利用してスペースを確保したり、歯並びを整えたりする方法がよく用いられます。

子どものころの矯正治療は、悪くなってしまった歯並びや咬み合わせを矯正するのではなく、悪くなりそうな状態を予防する目的で行うことも多いです。あごの成長期に治療を行うことで、適切なあごの発育や正しく機能する位置へ導くことができます。

大人の矯正では主に、見た目のコンプレックスなどから、悪い歯並びの改善が目的で行われます。子どものころに行うようなあごの成長を利用した矯正治療は行えないため、歯の移動による矯正方法が主流です。すでに成長が止まっているあごの中で歯を動かすので、痛みや圧迫感を感じやすくなります。

また、歯を移動させる矯正方法の他にも、歯の色や形もまとめて整えられる「セラミック矯正」なども存在します。健康な歯を削ってセラミックの被せ物を付ける治療法です。このように、大人の矯正は見た目の改善目的であることが多いです。

信頼できる歯医者は、何を基準に選べば良いのか？

子どもの矯正と大人の矯正の大きな違いは、骨格的なアプローチができる点です。大人の治療ではできない骨格の位置のずれなども補正することが可能です。あごの発育は男女によって差がありますが、だいたい15歳くらいまでに終わります。

また、あごへのアプローチが必要な「受け口」「過蓋咬合（かがいこうごう）」「出っ歯」などの治療に高い効果が得られます。他にも成長を利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか？

あごの成長と並行して歯を動かすため、大人の矯正と比較すると歯が動くスピードが速く、移動させられる範囲も広いです。きれいに歯を並べるための矯正が目的なので、必然的に抜歯をする必要性が低くなります。

一方の大人の矯正ではあごの成長は終わっているため、歯の大きさや位置から抜歯が必要かどうかを判断します。すでに完成された土台（あご）の範囲内で、歯を並べ替える必要があるのが大人の治療のデメリットでもあると言えます。

子どもの矯正では骨格的な問題にも対応しやすいため、歯並びだけでない顔貌（がんぼう）の矯正も可能です。歯並びや咬み合わせとは関係のない歪みなどは歯科での矯正治療に大きな効果は期待できませんが、歯並びを整えながら並行して顔貌も整える場合は、子どのころの矯正のほうが効果的です。

大人になってから横顔などのラインを整える場合は、外科的な処置が必要なこともあり、大がかりになってしまうことがあります。また、大人になってからの歯科での矯正治療では、顔貌までを整えられないこともあります。

子どもの矯正と大人の矯正の違いについて解説しました。

お伝えしたように、子どもと大人の矯正にはたくさんの違いがあり、それぞれに異なる治療目的があります。一人ひとりに合った方法やタイミングでの治療を進めることが、スムーズな矯正治療のカギとなります。