矯正治療の本質です
矯正治療は、一般に歯を動かすことが最も重要視されてきましたが、
“歯並びは筋機能の結果である”
という原則から考えますと、歯並びと直接関係にある舌ならびに口腔周囲筋の筋機能を変えていくことが最も大事なことなのです。
矯正治療をご希望される患者様方へ、
“歯を動かすことよりも、筋機能を変えていくことが大事”
と歯科医師のほうからお伝えするべきなのですが、いかに歯を動かすか、という結果ばかり求め続けていては、結局、矯正治療後の後戻りを防ぐことはできません。
当クリニックでは、筋機能のトレーニング(バイオセラピー)に力を入れ、日々、より良い方法を求めて研究を進めています。
MFTとは?
M(口腔周囲筋)F(機能)T(トレーニング)=口腔筋機能トレーニング
歯並びは、生活習慣、食生活、かみ方の結果ですが、口腔周囲筋の動きの結果ということも出来ます。
たとえば、上の前歯は舌と唇の力の強さ、動きによって、歯の位置、角度が決まります。
出っ歯の人は、唇の力が弱く、舌を前に出している、ということです。
分かり易く言えば、口呼吸でいつも口を開いていて、呼吸時、飲み込み時、発音時に舌が前方に押し出されてくる、という状態です。
この状態が改善されず、大事な永久歯を抜いて、歯を内側に引っ込めた、としても、時間が経てば出っ歯に戻ってしまう!ということです。
呼吸しない人はいないわけですから。
“原因が変わらなければ結果も変わらない”
そして筋機能トレーニング(MFT)は地道な毎日の積み重ねです。
子どもでも大人でも、毎日毎日、根気よく、直ぐに結果を求めず続けなくてはなりません。
通常“飲み込み時や、発音時や呼吸時の舌の動き”は無意識下で行います。
この動きを変えていく、ということですから、それを意識して上顎の口蓋に舌をべたーとくっつける。また、器具(あげろうくん)など使って舌を上に上げる筋肉を鍛える。さらに、器具を使わないで、舌を上顎にペタッとくっつけて“ポン!”と音を出す(ポッピング)。
このようなことを暇さえあればやる!
“やるか、やらないか”です。
意識下に行い、次第に無意識にも舌が上顎にくっつくようにしていく。
ですから、ご本人の意欲、矯正治療への取り組み方で矯正治療の結果は大きく変わってくるのです。
当クリニックのMFT
患者さんの状態、年齢、主訴によって違いますが、大体次のようになります。
- 子ども(乳歯列)の不正咬合・・・パナシールド、ポッピング
- 子ども(交換期)の不正咬合・・・パナシールド、ポッピング、ガムかみのトレーニング
- 小児矯正治療中・・・パナシールド、ポッピング、あげろうくん、ガムかみ、チューブかみ
- 大人の矯正治療・・・ポッピング、あげろうくん、チューブかみ
その他ほぼすべての矯正患者さんに、食事でのかみ方を指導しています。
内容は、
「一口目は必ず前歯を使う、前歯でガブッとかじるように。
それから、奥歯でゆっくりとよくかんでください。
“前歯でかむ”ことにより、前歯の並びが良くなります。
成長期の子どもの場合は“出っ歯”の状態がより自然な状態になります。
そして、食べ物も、とくに“固いもの”(スルメのような)を多く食べる必要はありません。
いつも食べているものをゆっくりとよく、かんで食べてもらえればいいのです。」というものです。
OMTについて
近藤歯科クリニックで、成長期のお子さまに対して、呼吸法、飲み込み方、お顔の筋肉のトレーニングなど、さらに積極的に筋機能療法に取り組みたい保護者の方に用意しているプログラムです。
内容は大きく分けて以下のとおりです。
- 鼻呼吸の練習
- 舌のトレーニング
- お顔の筋肉のトレーニング
- 飲み込みのトレーニング
ご希望の方はスタッフまで言っていただければ、相談の上、お子さまの状況に合ったもの(内容、回数、期間など)を考えます。
お気軽にご相談ください。