床矯正とは?
よく、“床矯正”というと、拡大床というネジ式の装置を使って歯並びを広げて、“ゴリラ顔”になってしまう!などと言う人がいます。
確かに、ただ闇雲に歯並びを広げるとそうなるでしょう。
実際のところはどうなのでしょうか?
ここで言う“床矯正”という言葉の定義を決めたいと思います。
私が行っている床矯正は、
“口腔機能訓練を行い、食生活も良くして、さらに取り外し式の矯正装置(床矯正装置)を使用して歯並びを整えていく矯正治療”です。
口腔機能のトレーニングとよくかむ食事法は必須です。
仮に矯正装置だけ使用してトレーニングをしなかったらどうなるでしょうか?
“ゴリラ顔”になるかは別として、歯並びは広がってもきちんと整わないと思います。
床矯正の誤った解釈には以下の理由が考えられます。
- 従来の矯正治療のなかで拡大床という装置は“歯並びを広げる”だけの役割に使われていたので、床矯正を専門に行っていない矯正医が誤解している。
- 従来の矯正治療では積極的に機能トレーニング(MFT)をとりいれていなかったので、矯正治療は歯を動かすのと同時にトレーニングを行うという概念が無い。
- 物事の答えは一つではないにもかかわらず、歯科業界では自分の行っていることだけが正しい、唯一の答えだと思っている人が多い。
ですから、床矯正では、MFTとよくかむ食事が必須なのです。
近藤歯科クリニックの床矯正のメリット(以下、床矯正=近藤歯科クリニックの床矯正とします)
- 永久歯を抜かない
- 費用が安い(従来の半分程度)
- 第2期治療という考えがない(早く治療が終わる)
- 痛みが少ない
- 取り外しができる(食事、よく話すときなど)
- 成長発育次第で見積もりよりさらに安くなる
- 下顎第二大臼歯を萌出させられる
以上のように永久歯を抜かないのは当然として、費用も安くできるので、当クリニックでは床矯正が可能である場合は子どもにも大人にもおすすめしております。
床矯正のデメリット
- 症例によっては適応外(たとえば、重度の出っ歯、受け口など)
- 一旦始めると何年も装置をつけていなくてはならない
(マウスピース矯正では、一旦休める)
治療効果はトレーニング、食事をよくかむなど、ご本人の取り組みで差が出ます。
まとめ
床矯正は、永久歯を抜かず、お子さんの成長発育を生かした画期的な治療法です。
費用も安いので、適応であれば、子どもにも大人にもおすすめしています。
お子さんの場合、ご本人が矯正治療についてあまり興味が少ない場合はおすすめしません。